(シンガーソングライターひろき)
ようやくおいらもミックスボイスができるようになったぜ。
これでXの『紅』だってバッチリ歌えるはずだ。さっそく歌うぜ〜!
♪ひrなえjwgrんfdbsfぴうhんらえをりえsdんわえsrげいわれs
げげ!! ミックスボイスをマスターしたはずなのに、全然歌えない!
しかも喉が痛いよ〜(泣)
ばかな! ミックスボイスをマスターしたはずなのに、なぜ?
こうなったら歌の神様「うたモン」を呼び出すしかない!
うたモン! 教えて〜!!
<どろん♪>
(うたもん)
呼ばれて飛び出てうたモンだよ〜!
うたモン、助けて!! ミックスボイスをマスターしたはずなのに、『紅』が歌えないんだ。
何やお前か。可愛く飛び出してきて損こいたわ。
何や、帰れ帰れ! わしも帰るわ。
う、うたモン、、辛辣すぎるし、キャラが変わりすぎだよ。
そんなこと言わずに教えてよ、うたモンの好物の「堅あげポテト」あげるからさ。
わぁ〜! 堅あげポテト! しかもブラックペッパー味じゃないですか! ボリボリ!!
よっしゃ、アドバイスしたろ!
(も、もう食べ切りおった・・!)
お前がマスターしたミックスボイスって、ようはミドルボイスちゃうの? ミドルだけやと高音なんて出えへんし、ましてや『紅』なんか歌えるはずがないよ。ヘッドボイスをマスターしないと、高音なんて出ないで。
ヘッドボイスだって!?
よっしゃ、ほな今回は、ヘッドボイスが何で必要なんか教えるで!!
ミックスボイス=高音が出る、ではない?
こんにちは。シンガーソングライターのひろきです。
2ちゃんねるを読んでいますと、まるでミックスボイスが使えたら、どんな高音でも歌えるかのように思っていらっしゃる方が多いように感じます。
僕もそう思っていました。
しかし、高音を出すために本当に重要なのはヘッドボイスです。
それではまず、僕がぶち当たった高音の壁についてご説明させてください。
ミドルボイスにも限界がある
僕がはじめに習得できたのは、チェスト〜ミドル間のミックスボイスです。下記の表で言うところの、ファーストミックスですね。
正確にいうと、ミドルボイス自体は、もともとわりと出せるタイプでした。こういう人は結構多いです。
このタイプの人は逆に、ミドルボイスはナチュラルで出せるけれど、チェストボイスが下手、というパターンが多い。
僕も御多分に洩れずそのタイプでした。
なので、チェストボイスを鍛えながら、ミドルボイスも鍛えるというアプローチで、チェストとミドル間のミックスボイスも徐々にできるようになってきて、その結果、ミドルボイスの音域も広がり、高音も出るようになってきました。
一方、僕はヘッドボイスというものは、ヘビーメタルとかの超高音域しか使わない発声法だと思っていたので、練習をしていませんでした。
そして、ミドルボイスを鍛えることで、高音は広がると思い込んでいたんですね。
しかし、実はミドルボイスって、頑張って出せても男声であればA#4(hiA#)ぐらいが限界ではないでしょうか。
ミドルボイスでB4(hiB)はかなり喉に負担がかかる
Mr.Childrenさんの名曲「足音 ~Be Strong」の有名なサビのフレーズ「yeah」ってところで出されている音がA#4(hiA#)です。
ここまではまだ出やすいと思いますが、これに対して、A#4(hiA#)の1個上の音であるB4(hiB)は、かなりの壁だと感じました。
たった1音、高くなるだけですが、それだけで喉への負担感がかなり違います。
このB音はゴールデンボンバーさんの名曲「女々しくて」のサビ前できかれる「君と居たいから」の「み」音で出される音です。
この音は、ファーストミックスではなかなか出ない声ですね。
ゴールデンボンバーの鬼龍院さんもテレビで歌われているとき、何度かこの音で苦戦しているのを耳にしたことがあります。
このB4(hiB)をミドルボイスの発声で出すとしたら、腹筋と発声を鍛えまくって出す歌い方である「ベルティング」という歌い方しかないと思いますが、喉絞めせずに喉への負担を軽減して歌うには、相当のパワーが必要です。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
ベルティングを使いこなせず、単にミドルボイスを使うだけでは腹筋が足りず、喉絞めしてしまう声になってしまいます。
ヘッドボイスを習得せずに、喉絞めしないでB4(hiB)を出すには、ベルティングボイスが必須です。
ちなみに、Mr.Childrenの桜井さんはヘッドボイスを使わないで、高音のほとんどをベルティングボイスで発声しています。
ヘッドボイスを使わずに高音を出したい方は、ベルティングボイスを練習しましょう。
ただ、ベルティングボイスは、音域が少しだけ広がるだけなので、『紅』とかは歌えないと思います。『紅』クラスになるとヘッドボイスは必須かなと思います。
ヘッドボイスは楽! ヘッドの多用で、喉の負担を低減できる
ミドルボイスを習得しても、高音を使いこなせなかった僕はそれを克服するために、ヘッドボイスを取得しました。
ミドルボイスの拡張版であるベルティングボイスを使えば僕もある程度の高音は出せましたが、ベルティングボイスはわずかに音域が広がるのみで、C5(hiC)とかは出せません。
やはり高音を出すためには、ヘッドボイスが必須だったわけです。
ヘッドボイスを取得して思ったのは「なんて楽なんだ!」ということ。
ちなみに、チェスト〜ミドル〜ヘッドを、スムーズに移行できるようになると、チェストの音域の中でも高音の部分をミドルの発声で歌えたり、ミドルの音域の高音の部分をヘッドの発声で歌えるようになったりします。
たとえば、いままでG4(mid2G)をミドルボイスで出していたとしますよね。
それをヘッドボイスでも出せるようになるのです。
「それって何の意味があるの?」と思われるかもしれませんが、ミドル域をヘッドで歌うことで、喉の負担を和らげることができるんですね。無理して高音を出さなくて済むので。
ですから、ヘッドボイスで、なるべくミドルの音を出してあげるようにすれば、喉の負担を軽減できます。
僕も、昔はG4(mid2G)をミドルボイスで出していたのですが、今ではヘッドボイスで歌うことが多くなりました。
ミドルになかなか移行せず、チェストを引っ張ったり、ヘッドになかなか移行せず、ミドルボイスを引っ張ったりすることもできますが、喉への負担を考えると、チェストよりもミドルの方が良いですし、ミドルよりもヘッドボイスの方が良いと言えます。
ミドル、ヘッドを多用する時の考え方
例えば、普段はE4(mid2E)からミックスに移行するようにしていたとします。
それだとその1個下の音である、D#4(mid2D#)までチェストで歌っていますよね。
ですが、仮にD#4(mid2D#)をチェストで歌うことに喉に負担を感じるようであれば、もうD#4(mid2D#)もミドルで歌ってしまうことだってできます。
あまりに低い音をミドルで歌うことはできませんが、さらに下のD4(mid2D)とかからミドルにしたって良いわけです。
ミドルにすることで、喉に負担を感じることもなく、楽に出すことができますから。
「俺は地声で〇〇まで出せる!」
「ミドルボイスで〇〇まで出せる!」
と、誇る方もいらっしゃいますが、単純に喉の負担を考えれば、さっさとミドルなりヘッドなりに移行した方が、喉にとっては良いはずです。
ただし、チェストのような重厚さはありません。
スピッツの草野マサムネさんなんかは、ミドル、ヘッドがスムーズですが、パワーに溢れたソウルフルな声はなかなか想像できませんよね。
ということで、今回のお話は高音を出すならヘッドボイスは必須だよというお話でした。
お読みいただきありがとうございました。